「た、たすけ、」



恐怖に歪んだ男の首を、躊躇なく掻き切った。



助けて。



そんな言葉が通じるならば、今死んでいく人間なんていないさ。



…血が。


血が見たかったのだ、純粋に。



絡んでくる人間は掃いて捨てるほどいる。


だから、斬る。




理性を吹き飛ばすためではない。




荊徒紫苑としての、理性を保つ為だけに。