寝台から跳ね起きる。


簡素な部屋は、廃墟にもともとあったアパートだったことを示している。



激しい、後悔。


「………紅蓮……!」



違う。

違う違う違う違う違う違う違う違う!



……違わない。

紅蓮は、俺のせいで、死んだ



逃げろ、と叫ぶ声。

無理だ。


無理だ無理だ、俺も戦うから。俺を一人にしないでよ紅蓮!


ナイフを打ち合う悪鬼の如き青年と少年。



来るんじゃねぇよ!紫苑!早く逃げろ!




思い出した。

両親を殺した瞬間。


遅かった。


眼前には、既にナイフ、が。