ニコニコしている藤の後ろからただならぬ気配が滲み出した。


「藤」


一声聞いただけで彼女の肩は三尺ほど飛び上がった。


「はい…」


「あなたのお仕事は?」


「義平様を荻様の元へご案内する事です!」


「荻様がそう申し付けなされて半刻がたちましたよ」