タカがバシッとシンを叩く。

シンゎ少し目が覚めたようで、目の前にいるスカーレットに驚いた。

「ぉっ…おい!なんやこれ!?」

小さなスカーレットに怯えたシンを見て、ノゥン達は思いっきり笑った。

「お前、こんなんにビビってるんか?まぁーオレも最初はびっくりしたけど…。」

そう言いながらタカとノゥンはこれまでの経緯を話した。

話を聞くに連れて、シンの表情が真剣になっていく。

そして、全ての話を聞き終えるとシンは目を閉じて、何かを考え込んでいるようだった。

「…とゆう訳やから、シン。オレはトランスハンターの末裔かもしれんけど、ノゥンを人間に戻せるかもしれん。…望みが有る限りオレはノゥンの力になりたいと思う。」

言い終えたタカをノゥンは何も言わず、ただじっと見つめた。

「話はわかった。…もちろん俺も協力させてくれ。…とにかく、その三つの物を手に入れなあかんのやろ?…とりあえず、タカ。俺らの村に行ってみんか?」

シンがタカに言った。

「オレらの村?あんな廃墟に何があんねん?」

「何かあるって確証わないけど…とりあえず今は少しでも手掛かりが欲しいやろ?ひょっとしたらトランスハンターの何かがあるかもしれんやん!考えるよりまずは行動や!」

勢い強く言うシンにタカも頷いた。

「ごめん。僕の為に辛い場所まで…」

沈みがちに言うノゥンにタカもシンも

「気にすんな!オレらは仲間やん!」

そう言ってノゥンを励ました。




出発する準備は着々と進んで行く。

ふと、鉄馬を見るとその横に小さな小型のボートのような物があった。

「シン?これって…」

「あぁ、これは俺のボートや。空は飛べんけど、水上ではめっちゃ早く進めるねん。今度は俺も情報収集にでるわ。」

笑いながら言うシンにノゥンは驚いたように聞き返す。

「でも!シン自身も狙われてるんだろ?危ないんじゃ…」

「こいつならだいじょーぶ!逃げ足はオレより早いから。」

荷物を積み終えたタカがニヤニヤ笑いながら言った。

「まぁー素早いと言って欲しいなぁ。…ってゆうことでノゥン、お前にこれ渡しとく。」

シンは小さな笛をノゥンに渡した。