「確かに、私の国にはトランスに関する書物があります。でも…人間に戻る方法なんて…」

言いかけた王女の言葉に男は首を振った。

「違うんだ。トランスが人間に戻る方法がないわけじゃない…ただ、この少年は普通のトランスではないんだ。」

重々しく言った男はノゥンの瞳を見つめた。

「方法はあるんか!?やったら何でノゥンは無理やねん!!」

詰め寄るタカに男は黙ってしまった。

「お願いします!教えてください!」

ノゥンは男に頭を下げて頼んだ。

すると男は重々しく口を開いた。

「その銀色の髪。緑の瞳…そして魔族よりも強い魔力…。君はきっと…魔族の王の子供だからだ。普通のトランスのようには…きっと人間に戻れないだろう。」