ノスリーに向かった鉄馬はノゥンが地図で道を教えたりしながら順調にノスリーを目指していた。

「この分やと早く着きそうやな！」

タカが笑いながら言ったそのときだった。

ポツっと滴が当たったかと思うと、いきなり雨が降り出した。

「こらあかん！とりあえずどっかで休まな！」

二人はずぶ濡れになりながら辺りを見回す。

「タカ！あそこ！家がある！」

ノゥンが指差す方向には小さな家があった。

「とりあえず、あそこに行こか！」

タカは少しスピードを上げて家へと急いだ。

家に着くと、タカは家の扉を叩いた。

「すんませーん、誰か居てはりますか？」

すると、扉が少し開いた。

「はい？どちら様でしょう？」

中からでてきたのは小太りの男だった。

「僕達旅をしているんですけど、急に雨が降り出して…良かったら雨宿りさせて頂けませんか。」

ノゥンが丁寧に言った。

男はずぶ濡れのノゥン達を見て、

「それは災難でしたね。どうぞ、どうぞ！汚い家ですが…」

と、ニッコリ笑いながら家の中へと二人を招き入れた。

「お寒いでしょう？暖炉の前へどうぞ。あっ！上着もお預かりますよ。」

男はニコニコしながらノゥン達の上着を預かると、暖炉の近くに干した。

「すんません、助かりますわ！」

親切な男にタカはノゥン気を許した。

「ところで…旅と言うとどちらか行かれるところでもあるんですか？」

男はノゥン達に温かいコーヒーを薦めながら話かけてきた。

「えぇ、ちょっとノスリーまで行こうと思いまして…。」

薦められたコーヒーを受け取りながらノゥンは答える。

「ノスリーまで？ここからではまだ半日かかりますね。よろしかったら今夜はここにお泊りになったらいかがですか？」

男はニコニコしながらノゥン達を見つめる。

「えぇんですか？せやったらお言葉に甘えて…」
タカがコーヒーを美味しそうに飲みながら男に言った。

「タカ！そんな、見ず知らずの人に…。悪いだろ？」

ノゥンはタカを止めようとするが男が、

「いいえ！迷惑だなんつ！私はこの通り一人暮らしの孤独の身。賑やかな方が嬉しいんです。」

男はまたニコニコしかながらノゥン達に言う