「今度嘘吐いたらブッ殺すからね」


私はそれだけを言い残して
陽太に背を向け
教室を後にした。

騒がしい廊下を、私は視線を床に落としながら
歩いてく。


途中、誰かと肩がぶつかった。
肩に少し、痛みが走る。


「すいませ…」


私は顔を上げ、ぶつかった相手の顔を確認する。

「…何ぶつかってんだよ」

ぶつかった相手は強面な男だった。



私は後退りしながら
頭を下げる
「ご、ごめんなさい…」

「謝ればいいってもんじゃないでしょ?」

男に腕を掴まれる、凄い力だ。

「やめ…」


私がその手を振り解こうとした時だった。

聞き慣れた声が、耳に飛び込んできた。