「ひかるの優しい人よりましだし〜」
「は?なんであたしの話になるのよっ!」
「まぁそれはそうだけど〜」
「こら、裕美も乗らないっ」

沙羅は話の矛先をひかるに向けた。

「だってほんとのことだもーんっ♪ね?裕美っ」
「だ〜か〜ら〜っ」
「ふふ、仕方ないよ、ひかる」
「裕美まで〜っ!」

3人で楽しく話していると、チャイムが鳴った。
3人は慌てて自分の席に着く。

…と言っても3人の席は近い。
ひかるが廊下側の1番後ろで、その前が沙羅、沙羅の斜め前が裕美だった。


「わ〜っ、ついに転入生のお出ましかなっ♪」

沙羅が声を弾ませる。

「沙羅ってば、楽しみにしすぎでしょ〜」
「裕美は甘いなぁ〜。周りよく見てみ?みんな目輝かせてんじゃん」

沙羅の言う通り、クラスの女子たちはここぞと言わんばかりに目を輝かせている。
ひかるは圧倒されそうになった。

「うわぁ…なんか怖っ」
「あらあら、ひかるちゃん。女の子は怖いものよ?恋がかかればね」

…そんなこと言う沙羅が怖いよ
なんて思いながらも、そうかもしれないと納得してしまった。

…なんで女子って…。
ひかるは心の中でそんなことを疑問に思いながら、周囲の女子に目をやっていた。