…今、ひかるって言ったよね?

大きな目がさらに大きく見開かれて蒼を捕らえた。


「…何?ひかる」

やっぱりひかるって言ったよね!
ひかるは心の中でもう一度確認を取った。


「何じゃないでしょ。勝手にひかるって呼ばないでよ」
「…なんで?」
「な、なんでって…」


蒼の問いに眉をしかめる。
…なんでだろ?
男子にひかるなんて呼ばれたことがないから?
仲良くなってないから?
…怖いから…?

頭の上に疑問符を浮かべて考え込むひかるをじっと見つめてから、蒼はゆっくり口を開いた。

「…俺はひかるって呼びたい」


その言葉によってひかるの思考回路は遮断された。

…何よ、それ…

慣れない呼ばれ方に聞いたことない言葉…
今まで感じたことのないこそばい気持ちを感じた。


「〜…勝手にすれば!!」

ひかるはそんな気持ちに戸惑ってすぐに蒼から顔を反らせた。


「…ん」

そんなひかるを見て、蒼は嬉しそうに微笑んだ。