「有り難う……」

 わたしは感謝を込めて微笑んだ。




 そうして再び歩き出そうとしたとき、寿先輩が流依に話しかける。


「所で流依、貴方あっちから来たということは次の授業体育ですか?」

「え? はい、そうですけど……」


 それが何か、と流依は聞き返す。


「なら、貴方は着替えに戻るんです」

「なっ!?」


 今一緒に行こうと言ったばかりなのに、いきなり寿先輩はそう指示を出した。

 当然ながら流依は反発するように驚く。


 わたしも少し驚いた。



 どうして?

 ――と。