「小都子!」

 うつむきながら保健室に向かう途中、聞き慣れた声に呼び止められ顔を上げた。


「流依っ」

 放送を聞いて駆けつけてくれたみたい。


 真っ先に来てくれて、嬉しかった……。




「小都子さん」

 流依がわたしの近くに寄ってくると、別の方向からも声が聞こえた。


 この声は寿先輩だ。

 寿先輩も心配して来てくれたのか、その表情にはいつもの優しさ以外に厳しさもある。


「寿……先輩」