ああ……やっぱり勘違いしちゃうよね……。


 状況だけ見ると和子先輩がわたしを襲っているようにも見えるだろうし……。


 だからわたしは違うんだって事を伝えようと口を開いた。

 でも、声を出す前に流依が何かに気付き足を止める。


 驚いているようで目を見開いていた。


「え? 和先輩……泣いているんですか……?」


 流依の呟きに、固まっていた優姫先輩が弾かれたように動き出す。


「は? 和が泣いてる!?」

 そう声を上げて流依が立っている辺りまで歩いて来る。
 そして優姫先輩も気付いた。

「本当だ……泣いてる……」


 そのまま気まずい雰囲気が流れるかと思ったら、優姫先輩はむしろ明るい声でわたしをからかい始める。