「分かりません」
「え？」
「どこが好きなんて言われても答えられるものじゃないですし、和子先輩と流依の違う所なんてありすぎるんですから特にこれとは言えません」
そこまで言って、わたしはフッと頬を緩ませ笑顔になる。
「それに、わたしは十分和子先輩の事が好きですよ？」
わたしの最後の言葉に、和子先輩はキョトンとした表情で固まった。
その様子にクスッとちょっとだけ笑って、わたしは続けて話し出す。
「優しい所はもちろん、可愛いところとか、それなのにたまにドキッとするほど男らしく見えるところとか……」
「……可愛い、ところ？」
一端言葉を止めたところで聞き返され、しまったと思った。
