「流依の、どこが好き?」

「え?」


「流依にあって、僕にないものって……何?」

「和子先輩……」


「どうしたら、好きに……なってくれる?」

「……」


「……やっぱり、諦められないんだ……」



 言葉を紡ぐごとに和子先輩の眉が寄る。

 きっとわたしも寄っている。


 和子先輩の想いには、どうしたって応えてはあげられないから……。



 わたしは眉を寄せたまま一度目を閉じ、ゆっくりと開いた。


 力強く真っ直ぐに和子先輩の目を見返す。

 そして口を開く。