口の中に入ったプリンは、溶けるように舌の上に広がってその甘みを伝える。

 泡雪のような柔らかい食感は、何だか優しい気分にさせてくれた。



 確かに売られているものとは違って柔らかすぎる気もするけど、そこが逆に手作りっぽくて良い。

 それに、好みとして言ったらわたしはこっちの方が好きだった。


「このプリン、すごく美味しいです!」

 わたしはちょっと興奮気味に、緊張の面持ちでいる和子先輩に伝える。

 すると和子先輩はホッと力を抜いた。


「良かった……」

 そう呟くと、和子先輩もスプーンを手にとって自分の分をパクリと食べる。


「……でも、ちょっと柔らかすぎた……かな?」

「あ、でもわたしはこっちの方が好きですよ」

「そう……? それなら、嬉しい……」


 ふわりと綿毛のような笑顔を向けられ、何だか理性が飛びそう。