その男にしては柔らかそうな手を見てまだどうしようか悩んでいると、優姫先輩の言葉に押される。


「いいから。行けよ小都子」

「あ、はい……」


 まだ少し戸惑いながらも、わたしは寿先輩の手を取った。


 柔らかそうと思った手は、やっぱり男の手で少しごつかった。

 でも、寿先輩の優しさが表されているように、その手はわたしの手を優しく包み込む。


「それでは、小都子さんをお借りしますね」

 わたしの手を取った寿先輩は、最後にそう言ってダイニングを後にした。

 優しい手に引かれながら、わたしも一緒に出て行く。




 連れて行かれたのは外。

 昼間わたしが見つけた小川だった。