寿先輩が変なことするとは思えないけど……。


 そんな風に迷っていると、見かねたのか優姫先輩が割って入ってきた。


「小都子、行って来い。流依も、いいよな?」

「え? あ……」

「はい、いいって事で! 寿、一応言っておくけど……小都子泣かせるなよ?」

 流依の返事も待たぬまま、優姫先輩は話を進めた。


 優姫先輩の言葉に、寿先輩は“参ったな”といった雰囲気で答える。


「そうしたいですけど、自信はないですね」

 と、優姫先輩に微笑むと寿先輩はわたしに近付いてきた。
 そして手を差し伸ばす。


「では、行きましょうか?」