「さてと……。小都子さん」

 数分後、食器を洗い終えた寿先輩はわたしを真っ直ぐに見て声をかけてくる。


「は、はい!」

 寿先輩から話しかけてくれるとは思わなかったから、一瞬ドキリとして返事を噛んでしまう。


 そんなわたしに寿先輩は困ったように笑っていた。


「全く、貴方は……。少し、お話しませんか? 二人きりで」

「え?」


 その予想していなかった申し出に、どうしていいのか迷う。

 答えを決めかねて、チラリと流依の方を見た。


 流依もどうしたらいいか分からないといった表情。

 寿先輩の気持ちを考えるとその申し出を受けたほうがいいんだろうけど、二人っきりにして大丈夫なのかと不安に思っているような感じ。


 実際、わたしもそんな気持ちだった。