「今まであいつが本気になった女の子は二人いたけど、そのどちらも……その……凄かったから……」

「……何が凄いんですか?」

 一応説明はしてくれてるみたいだけど、的を得ない言い方だからわたしからちゃんと聞き返す。



「う~ん。なんて言えばいいのかな?」

 すると逆に困ったように聞き返された。



 いえ、聞いてるのわたしですから……。



 ちょっと呆れると、学園長は「とにかく!」と無理矢理まとめる。


「あいつは本気になった相手には、妖しくてかなり甘いから!」

「……はあ……」


 一応返事はしたけど、学園長の言っていることは良く分からなかった。