「え? あ、はい。よく分からないですけど、そんなこと言ってたような気がします」

「あー……やっぱりか……」

 わたしの答えに、学園長は額を片手で押さえ軽く頭を仰け反らせていた。


 何かを考えているかのようにそのままの状態で数秒止まっていた学園長は、突然わたしの肩を掴み真剣な目で見つめてくる。


「サトちゃん!」

「は、はい!?」


「……頑張れ」

「はいっ……って、へ?」

 勢いで返事はしたものの、今の話の流れで何を頑張れと言うのか……。

 さっぱり分からない。


 でも学園長は真剣に言っている。

 ……ううん。何か、どちらかというと動揺してる?


 よく見ると、学園長の額には脂汗が浮かんでいた。