その路地は、
立ち並ぶ店舗の裏通り、
飲食店などのダクトがむき出しになっている道だった。



霧子はダクトから出てくる煙を見て不安な気持ちを欠き消した。



あー。
この薫りラーメンだ。
お腹すいたー。



などと独り言をいい
わざと明るくふるまって
走っていた。



次の店舗の角に置いてある、
大きなポリバケツ
その上に突然

のら猫が現れた。



「キャー!」



霧子は焦り足を止めた。



猫は霧子をじっと見つめて口を動かした。



霧子はホットし
ニッコリ笑い



「なーに?お腹空いたの?」



とその猫に話しかけた。



その時だった。



突然、霧子の頭の中に



『ゴッ!』



と言う音が鳴り響き激痛が走った。