「セーフゥ!
ギリ1分前ー!」



リカは霧子の分もまとめてタイムカードを押した。



霧子とリカはこのバイトを初めてから、
お互いが同じ高校に通っている事を知った。



そして、すぐに仲良くなった。



そんなある日の事。



その日もバイトが夜11時までと遅くなってしまい
霧子にはまた母親の怒る顔が頭に浮かんだ。



急いで仕事をこなし帰り支度をする霧子。



その日はリカが部の大会でバイトを休んでいたので
今日の帰りは一人だった。



式場から外に出るとすでに
ひとけも少なくなっていた。


早く帰えろうと思った霧子は、
いつもの帰り道と
違う道を選択した。



その選択した道は、駅までは早いのだが、
薄暗く人通りも少ない通り
なので一人の時はいつも避けていたのだが。
終電の時間も迫っており
霧子はこちらの道を選ぶしかなかった。



「えーい!気合いだ!」



そう言うと霧子は
自分に気合いを入れ
一気に駅へと走り出したのであった。