電車で二駅ほど離れた繁華街に
霧子のバイト先はあった。



そこは、花屋と言っても
結婚式場の中にあり
ブライダルの飾り付けがメインの所だった。


アレンジなんかを多く取り持っていた為
週末に式が重なるほど
平日はその準備で大忙しだった。

さばく花の量も半端ではなかったが
その分時給もよかったので
霧子はわざわざここに足を運んでいたのだ。



バイト先に近づくと
式場の裏口にリカの姿が見えた。



「リカー!」



霧子の呼び掛けに気付いたリカは
自分も遅刻ぎみで焦っていたのか右手だけを上げて中に入って行った。