帯斗の言葉に落ち着いた霧子は、
ゆっくりと話だした。



この間の春休みの事だった。



霧子はいつもの様に、
家からバイトに出かける所を母親に呼び止められていた。



「霧子、あなた最近帰りが遅いわよ!

花屋のバイトってそんなに遅くまでかかるの?」



「あー。もー。うるさいうるさい。バイト遅れちゃうでしょう!」



「そんな、帰りの遅いバイト母さん許しませんよ!」



「大丈夫だって、言ってるでしょ!

それに最近、バイトで仲良くなった子が
うちの学校のテコンドー部のリカって子でさ。

遅い時は、近くまで一緒に帰ってくれるの。
その子強いんだよぉー。

もー。
心配性の親バカもいい加減にして!」



そう叫ぶと
後ろで叫んでいる母親をしり目に
霧子はバイトへと向かった。