「純、ちょっとトイレいってくるから教室に先行っててくれよ。」
大輔はぺたんと潰れたカバンを俺に向かって放り投げた。
俺ははいはい、と生返事をして再び掲示板の模造紙に目をやった。
「牧瀬瑠璃…」
あるはずもない瑠璃の名前を無意識に探していた。
すると1ヶ月ぶりに聞くチャイムの音が聞こえてきた。
気づいたらいつの間にかホームルーム10分前になって俺は急いで教室へ向かった。
「大輔ごめん。カバン。」
俺はコンビニのパンを頬張る大輔にカバンを返した。
「純遅かったね。…お前も食べるか?」
お気に入りの長細いジャムパンをちぎって差し出す。
「さんきゅ。」
パンを口に放り込み、自分の席についた。
始業式が終わり、教室がざわつくなか、教師がたくさん積み重なったの資料を抱えながら入ってくる。
それと同時にざわつく生徒も静まりだした。
「えー今から資料を配りますので必ず目を通して下さい。」
静まった教室にはプリントのパラパラという無機質な音が響く。
これからの進路について…来年度の受験の心構え…未来の自分について…
俺は白黒印刷の活字だらけの資料を机に突っ込んで机に突っ伏した。
端から見たら俺はひねくれ者かもしれない。
俺はもとから教師というのはあまり好きではない。
しかも担任は大嫌いな教師だったからなおさら聞く気はなかった。
そこには瑠璃との関係が絡んでいたからだ。
大輔はぺたんと潰れたカバンを俺に向かって放り投げた。
俺ははいはい、と生返事をして再び掲示板の模造紙に目をやった。
「牧瀬瑠璃…」
あるはずもない瑠璃の名前を無意識に探していた。
すると1ヶ月ぶりに聞くチャイムの音が聞こえてきた。
気づいたらいつの間にかホームルーム10分前になって俺は急いで教室へ向かった。
「大輔ごめん。カバン。」
俺はコンビニのパンを頬張る大輔にカバンを返した。
「純遅かったね。…お前も食べるか?」
お気に入りの長細いジャムパンをちぎって差し出す。
「さんきゅ。」
パンを口に放り込み、自分の席についた。
始業式が終わり、教室がざわつくなか、教師がたくさん積み重なったの資料を抱えながら入ってくる。
それと同時にざわつく生徒も静まりだした。
「えー今から資料を配りますので必ず目を通して下さい。」
静まった教室にはプリントのパラパラという無機質な音が響く。
これからの進路について…来年度の受験の心構え…未来の自分について…
俺は白黒印刷の活字だらけの資料を机に突っ込んで机に突っ伏した。
端から見たら俺はひねくれ者かもしれない。
俺はもとから教師というのはあまり好きではない。
しかも担任は大嫌いな教師だったからなおさら聞く気はなかった。
そこには瑠璃との関係が絡んでいたからだ。