「うん。じゃ、借りる。タオル持ってくよ。」



「りょぉかーい♪」





脱衣所にもカギはついていた。少し安心しながら、服を脱いでいく。

ここからアタシしかしらない過去のアタシが存在する。




ビリッ


手首から絆創膏のはがれる乾いた音。





絆創膏のしたに隠れていたのは、刃物で切った跡。
リストカット。

まだ少し生々しい傷跡。


「ヤバ…絆創膏の替え持ってきてない。」




いつもの癖で絆創膏をはがしてしまった。
元々、海に入ったから、絆創膏もすでに粘着力がなくなっていた。




「……大丈夫、だよね。」