「お嬢さんは…その、えらく探偵ものに詳しいンだな。」
さすがにここまで無言なのは申し分けないだろう、と考えた若松は、とっさに質問を投げ付けた。

が、言って少々後悔した。事を焦って、彼女の話の途中に質問を投げ付けてしまったのだから、カヤの話を遮ってしまう形になった。
どうも、女性といるためか緊張してタイミングがうまく掴めない…
怒らせてしまった…か?

恐る恐る顔をあげてみると、怒るどころかむしろ満面の笑みをこぼしているではないか!?

どうやら、俺がふいに話し掛けてきたことが嬉しかったようだ。
自分に興味を持ってくれたのだといいように勘違いしてくれたみたいだ。

よかったのか、悪かったのか…

とにかく、話を振ったからには最後まで聞くのが筋…。
若松は腹を決め、カヤの話に耳を傾けた。