「いやぁ、しかし…
校長先生の話は長かったねぇ。」


気だるそうに机にひじを付きながらそう言ったのは、里沙。


「本当だよねー。もっと、カットするとこあったよね絶対!」


あたしは、うんうんと、頷きながら激しく同意する。



ここは、1年3組の教室。

入学式が終わり、次にHRを行うための担任を待っている。




ざわつく教室の中、愚痴をこぼす、里沙とあたし。




「思ったんだけどさ、
あたし、里沙と同じクラスで本当によかったなぁ…って。」



「嬉しいこと言ってくれんじゃん!

あたしも、麻衣と同じクラスで本当によかったぁ。


まぁ、また麻衣の面倒見ると思うとゾッとするけどね。」




「最後の言葉に、グサッときたんですけど!」




「ごめんごめん。
冗談だってば!」





若干ふざけた会話を交わしながら、



こんなやりとりが、また一年間できるのか。


と思うとなんだか嬉しくなってきた!



ガラガラガラ…


突然、廊下側から、ドアの開く音がした。


そんなこんなしてるうちに、先生が来たみたいだ。




さっきまで、ざわついていた教室が、少し静かになる。




「おーい!みんな席に着けー!」




声を張り上げながら入ってきたのは、





グレーのスーツを身にまとった、





若い、超イケメンの先生…





ではなく、40代後半ぐらいの、おじさんな先生だった。





若いイケメンを想像してたのに畜生!



敦士君みたいに、髪が茶色くて少しパーマが掛かっててさ。



まぁ、そんな人が簡単に現れるわけないんだけどね。




「このクラスの担任になった、
鈴川