「お前、なんでこの高校に来たんだよ?
タクミだったら、もっとレベル高いとこ、余裕で受かったんじゃねぇ?」
ケンタは、貼り出された順位表を見ながら言う。
途中で「おっ葵、成績上がってるじゃん」って呟いて。
「俺の教え方がいいんだな」
とか調子に乗ってる。
「別に、高校なんてどこでもいいから。
問題は大学でいいとこ入れるかどうかだろ?」
俺はケンタにそう言うと、廊下を歩きはじめた。
「そういやお前、中学の時、1位とか取ってなかったよな…」
ケンタが後ろを歩きながら話しかける。
「……まさか、手、抜いてたんじゃねぇよな?」
「まぁな」
俺は当たり前の様に答えた。