「俺、義理チョコはいらないって言ったろ?」


タクが私を抱きしめて呟く。


「…ちゃんと言えよ」


私をいつもおかしくさせる人。


このドキドキも、不安も、安心感も…、


全部、愛しい。


ねぇ、タク?

もしかして気付いていたのかな?


初めて会ったあの日から、ずっと…


言えなかったこの一言。


「あなたが好き…」


タクはそっと囁いた。




「…俺も、好き」