…タクに片想いなのわかってるよ。
だって私、女らしくないし…。
「…ち、違うよ!手作りなんて、私が作るわけないじゃない!買ったんだよ!」
勝手に口から飛び出して行く台詞。
「私のは、義理だからさ、でもちゃんと食べてよね?」
あぁ、私何言ってんの!
完全に墓穴を掘って、虚しくなる。
タクは私をじっと見てたけど、急にチョコをそばにあった棚に置いて、私の手をそっと引き寄せた。
「本当に手作りじゃないの?」
「え…?」
「じゃあ、この指、どうした?」
私の指は、見事にばんそうこうだらけ。
全部、チョコを作った時の、火傷の跡…。
「お前、不器用だもんな」