「あのね、コレ!」
チョコレートケーキの入った箱を差し出す。
タクは、「あぁ、サンキュ」と言って受け取る。
あれ?そんなあっさり受け取るの?
義理だと思われてる…?
違うのに!言わなくちゃ!
今、「好き」って言わないでいつ言うんだ!
「…なぁ、もしかしてこれって手作り?」
タクは、箱を見つめながらそう呟いた。
「え?」
ダメだったのかな?
もしかして、手作りなんて重たい女だと思われてる?
「な、なんで?」
「あー、意外だったから…な」
タクの一言に、なぜか一気に怖くなった。
私が手作りなんて、柄じゃないよね。