ケンタの彼女とユカは仲がいい。
葵ちゃんの事をユカは「アオ」と呼ぶ。
だから俺もいつの間にか彼女を「アオちゃん」と呼ぶようになった。
アオちゃんは俺達を見て笑ってる。
ケンタにはもったいない位、ちっちゃくて可愛いし、性格もいい子だ。
「タク君、いつも大変だね~時間通りなのにね!」
…ケンタと付き合い始めてから、ますます可愛くなったな…。
恋をすると女は綺麗になるって、あながち嘘じゃないかも…。
そんな風に考えながら、相槌を打つ。
「あ、今日は出掛けるんでしょ?ここだけの話、ユカ、朝から機嫌がいいんだ。一体なんの記念日?」
アオちゃんが小声で耳打ちしてきた。