「……い……おい……」
「へ?」
「へ?じゃねーよ。お前は相変わらず妄想が好きだな?」
「なっ、失礼な!!妄想なんてしてません!!」
妄想じゃないから。
ただ思い出に浸ってただけだもん。
「どうだか?それより思い出?オレはたくさん思い出あると思ってるけどな」
「え、どんな?」
その瞬間、あたしは聞いたことを後悔した。
いつものようにニヤリと微笑む社長の顔は、きっとロクなことを言いかねない。
「お前とたくさん愛し合ったことが、オレにとって最高の思い出だ」
……ほらね。
「朝も昼も夜も…誰にも邪魔されずに愛し合ってさ。オレにとってこれ以上の幸せはないな」
目を閉じて、何を思いだしているのか顔をニヤつかせながら社長がサラリと口にした。
朝も…昼も…夜も……ね。
「お前だって一日中ベッドから出ない日もあっただろ?」
「ち、違う!!あれは……」
「あれは?」
……腰が抜けて起き上がれなかっただけ…です。(5日目の朝)