「悠河…ぜったい起きてるんでしょ?」



さっきからピクンと動く社長の手は、あたしの敏感な部分に刺激を与える。



相変わらずスースーと寝息を立て、目はしっかり閉じられているけど……ぜったいに起きてる。




「悠河?起きてるんでしょ?早く離してよ」



きつく絡みついた社長の腕を、あたしは必死に解こうとするけど。


社長はがっちりとあたしを抱きしめていて叶わない。



「悠河?」



ぜったいに起きているはずなのに返事はなく。
……だんだんあたしはイライラしてきて、とうとう反撃に出た。





ギューっと社長の腕を思いっきり抓る。


すると




「イッてえーー!!」


社長が腕を押さえながらベッドから飛び起きた。




そりゃあ痛いでしょうよ?


あたしの全力で抓ってあげたんだから。




ガバッと勢いよく振り返った社長に、あたしはニッコリ天使のような微笑みで「おはよう。悠河」と囁いた。




「お前…朝からなんてことしてくれんだよ!!」


「えー?だって呼びかけても起きないんだもん」




いつまでもイヤらしいことするからよ。