こんな時は、どうする?

……逃げるっ!!



ーーパシャッ


勢いよく立ち上がったあたしのカラダは、次の瞬間、グイッと社長の腕に引き込まれた。


「きゃっ」



ーーパシャン


けっきょくあたしのカラダは元の位置にスッポリ収まる。



「どこ行くつもりだ?光姫ちゃん?」




あわわわわわ。

怖い、怖すぎるっーー!


社長が“光姫ちゃん”って呼ぶ時は必ず後で痛い目にあってきた。


“お仕置き”という名の“制裁”が……。



恐る恐る社長に顔を向けるとーー…


「……んっ……」


激しい激しいキスの嵐。

こうなると、誰も社長を止められない。


できるのは

ただ、嵐が過ぎるのを待つことだけ。




チャプンチャプンという水音と、荒い息づかいがバスルーム中に響く。



その後は社長の格好の餌食となり、あたしはお風呂の熱気と、上昇した体温ですっかり疲れ果て、そのまま意識を手放した。



けっきょく……


ハネムーン1日目の思い出は、初めて2人で入ったお風呂と“お仕置き”だけになってしまった。