「うるさいな、そんなんじゃねーよ」


社長はあたしから完全に視線を逸らしてしまった。


「嘘ばっかり。あたしのこと、誰かにとられないかって心配で心配でたまらないんでしょ?」


「…っ、んなことあるわけねーだろ!!」


「やだー。ムキにならないでよね?冗談なんだから」



あたしは完全に調子に乗っていた。



「お前、いいのか?そんな生意気なことばっか言って」



社長の声色が変わったことにも気づかなかった。



「だってホントのことでしょ?」


「謝るなら今のうちだぞ?」



最後のチャンスを与えてくれていたことにも気づかなかった。



「光姫。お前今、自分が置かれてる立場分かってんのか?」


「へっ?」