和馬は何も言わず黙々と食べる。
『何か言わないの?』
和馬は牛乳をぐびっと飲んだ。
『佳恵ちゃんが言いたかったら言えば?』
『・・・優しいな、お前。』
『有難う。』
えくぼが可愛いかった。
『そんな優しくすんのって、アタシが可愛いカラ?だろ?』
『普通、そんな事言う?自分で。』
ハハッって笑う。
『図星。』
遊びでか。
『違うよ。』
『そうだろ。』
『違う。泣いてる子一人にできねぇよ。』
胸がずきってきてまた泣きそうになった。
『口説くのも、上手いな。』
『佳恵ちゃん、人間不信だね。俺は裏切らないよ。』
『あのカス達と写真見てたじゃん。』
『俺、やめろっつったし。』
『あっそ。』
『要の事でだろ?』
『うン。』
『俺も見た。』
『は?』
『清とかいうやつだろ。』
『うン。』
『ねぇ、和馬。』
『ン?』
『初って忘れないモン?』
ブッ
和馬は牛乳を吹き出す。
『は?』
『いいから。』
『まぁ、そうだろ。』
そっか・・・