すると、遠くカラ同じクラスの二宮祐が走って来た。


『オイオイ、美女にフラれたからって女に手ェ出すとか男とした情けねぇな?』



『うるせぇ!テメェ覚えとけよ性悪女!』



アタシは馬鹿らしくなって教室に向かった。



『有難うとか何かないのかよ中野!』



馬鹿じゃない?

あんぐらいで有難う何て言う訳ない。



『中野ってさ、話さないよなぁ?』


無視。



『無視すんなよ。』


『アタシは要(かなめ)としか話さない。』



要は幼稚園カラの男の親友。

要しか信じない。




『要って松原?』

『そう。じゃ。』




『中野!!』


しつこい。


『何。』



『佳恵って呼んでいいか!?』



『勝手にすれば。』



減るモンじゃないし。