「ん~‥」
裕太が私の肩で寝始めて約20分。
とっくに約束していた私が降りる駅は過ぎてしまった。
そんでもって裕太が降りる駅まで後10分ほど。
私は動かないように、体を固定させて携帯電話をいじってる。
停車するときとかに揺れたりするのを最小限に留めて、裕太に快適な睡眠を提供中。
もちろん周りには他の乗客がいっぱいいて、高校生とかはチラチラ見てくる。
きっとはたから見たらただのカップル。
こそこそと言ってるのもちゃんと分かってる。
電車の中で男女が肩枕してて恋人じゃないと思うほうが難しいもんね。
「ここ、どこ?」
目が覚めた裕太の問いに、答えるべきかちょっと悩む。
正直に答えちゃうとまだ目的地まで10分あるのに起きちゃう。
「まだだから寝といていいよ。」
「そっか。」
曖昧な言葉で返してみた。
この分じゃまだ寝ぼけてるし、睡眠時間足りてないなぁって判断。
口をちょっと動かして「むにゃむにゃ」言ってるのが可愛くて仕方ない。
グイッと腕を引っ張られる。
何かと思えば、弱冷車だけど体が冷えたみたいで、私の腕で暖をとってる。
一気に私の体勢は斜めになってしんどさを増しちゃった。
斜めになったけど倒れ込むわけにはいかないから、腹筋を使ってギリギリのところで持ちこたえる。
運動ができないわけじゃないけど、結構つらいものがあるよね。
明日は筋肉痛になる可能性高いかなっ!