「あっつーい!」

「夏だから。」

「残念。まだ梅雨あけてないから夏本番にはなってない!」

「雨の日は髪がうねるからなぁ。」

「裕くせ毛だもんね。私には関係ないけど。」

「ストレートが羨ましいぜっ。」

「くせ毛憧れるけどなぁ。」

今日もいつも通り一緒に帰宅。
会話は相変わらずしょうもない会話だけ。
共通の趣味とかないから、いつもその場で思いついたことを言い合う。
なんで仲良いのかたまに自分で疑問に思ったりもする。
だって違いすぎる。

高校まで学校サボったことない見た目と違って真面目な私。
高校から見た目通りサボってばっかの不真面目な裕太。

大学でだって私は単位危ないのないのに、裕太はすでに危ないのばっか。
一限目の授業にあまりにも出ないからモーニングコールで起こしてる。
本当は私は一限ないから起きなくていいけど、裕太を起こすために高校と変わらない時間に起きて、この間裕太のために買ったコムで起こしてる。

好きな人のためだけに携帯電話を二つ持つ私って、意外と健気だと自分で思ったりしてね。
だってコム同士って通話料いらないし、裕太はコムだけだからいっぱい電話するためには、私が持つしかないでしょ?
こう見えて結構、尽くすタイプの女なんです。
好きな人以外には尽くさせるタイプなんだけど、惚れた弱みってやつだよね。