「美由、ちょっと教職の行かなきゃ駄目なんだけど。」

「あー、じゃあよっしーどうする? うち図書室行くけど。」

「水野と図書室いる。」

「じゃあ迎えに行くし待っててな。」

「うん‥」

「どうした? テンション低くない?」

「別に。」

「別にってことないっしょ。低いって!」

「なんでもない。」

「……じゃあ、また後でな。」

自分、最低。
いくら病んでるからって裕太に八つ当たりしても意味ないし。
だって裕太は悪くない。
勝手に落ち込んで病んだ私が悪いのに、八つ当たりなんてホント最低。

「よっしー、どうした?」

「ちょっと病み期。」

「ははっ、うちなんて常に病み期だし。」

そんな簡単な病み期じゃないもん。
私、正直な話いつも病み期って言う子好きじゃない。
ちょっとのことですぐに病むとか有り得ない。
水野は好きだけど、こういうとこ好きじゃない。
世界の不幸は全部自分が背負ってます的な子って、努力してないだけじゃん。

私は裕太に振り向いて欲しくて、どれだけ努力してるか知ってるの?って思う。
裕太が連れて歩きたいって思ってくれるようにダイエットしてるし、裕太に会えるってはっきり分かってる日は服装だってかなり気をつけてる。
これでもわりと可愛いって言われるし、誰かにアプローチされるのなんてしょっちゅうだけど、それでも今以上に可愛くなりたいって努力してるんだから。

それを努力もしないで自分は。なんて言う子嫌い。
私以上に努力してから言ってくれない?って思う。
「顔が可愛い子はいいよね」って嫌味言われるのも大っ嫌い。
可愛く見せようと常に努力してるのに、生まれ持ったものなんて考えて何もしない子に言われたくない。

「可愛く生まれたかった。」

「お前、充分可愛い顔だろ。嫌味か。」

「そんなんじゃないし。」

裕太にとって一番可愛くなくちゃ、他の人に言われても意味ないんだよ。