その時だった。


「10! 9! 8!」



どこからともなく、そんな声が聞こえてきた。

それが、新年までのカウントダウンだと気づき、私たちも合わせて声を出す。



「3! 2! 1!」



一瞬の静寂。

そして。




「ハッピーニューイヤー!」



何発も花火が打ち上げられ、歓声が沸き起こった。

新しい年のはじまりを示す合図だった。