「いってきまーす。」
「あ、陽菜。今日午後から天気悪くなるみたいだから、傘持って行きなさい。」
「はーい。あ、今日図書館で勉強して帰るから、帰り遅くなる。」
「何時くらいになりそう?晩御飯は?」
「そんなには遅くならない。9時までには帰ってくるよ。晩御飯とっといて。」
「分かった。テスト頑張って!いってらっしゃい!」
「いってきます。」
傘を手にして家をでたけど・・・雨降るの?この快晴で。
私は学校まで自転車で行く。
傘はハンドルからサドルの間のところに引っかけた。
テストで寝不足な分、自転車をこぐのも少しダルイ。
学校について、靴箱までの道で怜奈に会った。
「陽菜ー。」
「怜奈!おはよう。」
「おはよう。あれ?傘?」
「今日雨降るって。お母さん天気予報士が。」
「嘘?私傘持ってきてないのに。」
「まあ、私のお母さんの言うことだから、微妙だと思うよ?ほら。誰も傘持ってないし。」
「自転車で濡れて帰るのって嫌なのよね。」
「確かに。」
「そういえば、テスト勉強はバッチリ?」
「今日のはなんとか。でも放課後は図書館で勉強して帰るつもり。」
「私は今日塾だからあてにしてもだめよ?」
「してないよ。怜奈にはお世話になってるけど。」
「嘘嘘。協力はしたいけど、塾が本当。ごめんね?」
「いいよ。家で集中できないだけ。」
「妹さん?」
「そうそう、聞いてよ!昨日なんかさあ・・・」
「あ、7番。」
「え?どこ?」
「嘘。」
「もー。」
「妹さんの愚痴も良いけど、テスト前の悪あがきは?」
「怜奈の意地悪。」