屋上に来た。
家にはお婆ちゃんがいるから帰れない。
お母さんは最近見つかった仕事に出かけているが、お婆ちゃんもさすがに変だと勘付くだろうから。
日差しは暑い。
あと半月ちょっとで夏休みに入るから、それまでの我慢と思い、学校には来ないといけないのだろう。
美奈も間宮君も嫌いだ。
今、自分の心の中がこんなにも人を嫌う思いでいっぱいになってるのが嫌だと思う。
けれどこの思いはぬぐえない。
沸々と湧きあがるようにその感情は絶えることはない。
「はぁ~。」
屋上ですらやんわりとした風しか吹かない。
暑くて首元を汗が通る。
私は陰に座って時間が経つのを待つことにした。
こんな狭い学校、探そうと思えば私なんてすぐに見つかるだろう。
だけど、こんなど田舎、一度足を踏み出せばどこに行ったか分からない。
私がこの地元の人なら、隠れ家的な場所を見つけられるのにと思う。
そもそも、誰が私を探してくれるのだろう。
美奈も、間宮君も、クラスメイトあるいは望月先生まで、探してもらえる自信がない。