なんだろう。
ドキドキする。
考えてみれば、男の子とこうやって二人きりで歩いたことなんてない気がする。
半歩前にいる間宮君を見上げる。
といっても私は背が高いほうだから目線が少し上なだけだけど。
間宮君は前を向いて大き目フードをかぶってラフな格好だ。
髪の毛が少し湿っているから、風呂上がりなんだろう。
男の子の私服ってこんなにしっかり見たの、初めてかもしれない。
中学校では特別彼氏がいたわけでもなかったから、私には新鮮だった。
そのとき私は自分の恰好をみてハッと気付いた。
スウェットで来てしまった。
なしだろう。
これはなしだろう。
可愛げも何もない。
唯一、ニコちゃんがばら撒かれてるところが・・・・
パジャマっぽい。
そんなことを考えながら歩いていると
間宮君が止まった。
家の周りは探索したのだが、見覚えのない景色なので少し遠くに来たのだろう。
「ちょっと座ろうか。」
「うん。」
何だろう。
この感じ。
ドキドキ?ザワザワ?
味わったことのない感じ。
間宮君が、こっちを見てる。