先生との会話はいつもうまくかわされている気がする。
真実を教えてくれる訳ではないけど、本質をとらえてるて言えばいいのかな。
私は部屋で宿題をしながらそのことをずっと考えていた。
最後の問題を解く手は止まったまま。
「わかんないよ・・・。」
今の自分は何が分からないと言ったのか、それすら分からない。
明日、美奈は学校に来るかな。
リンリンリンリーン・・・
「陽菜ー、陽菜!電話よ!」
お婆ちゃんの家の黒電話が鳴ったと思ったら、私への電話らしい。
「はーい!」
電話の相手は・・・
「もしもし、陽菜です。」
「もしもし、間宮です。」
間宮君だった。
「何?どうしたの?」
「こんな夜遅くにごめん。今からちょっと出てこれる?」
「え?今から。」
「うん。近くまで迎えに行く。」
「分かった。」