「この部屋って、どうしてこんなに・・・えっと・・・。」

「こんなにアンティークなのか?」

「うん。」




ギギギーーー・・・




「それは私が答えてあげるわ。」

「望月先生!?」

「間宮君、コーヒー。」

「はぁ~。」



突然、望月先生が現れた。
間宮君にコーヒーを頼むと、私と反対側の椅子に座った。



「さっき、職員会議終わったのよねぇ~。」

「はい、コーヒー。」

「どーも。実はね、ここにあるのは全部使い古しなのよ。」

「使い古しって誰のですか?」

「周りの学校。この辺りはね、子供がどんどん減って廃校になった所が多いの。そこの校長室にあったものとか、飾ってあったもの、良さそうなもの持ってきたらこんなになっちゃって。」

「え、誰が持ってきたんですか?」

「あなたの先輩たちよ。」



先輩たち。
そんな風に言われると、もうこの学校の生徒の一員であることを実感する。




「まぁ、私もその先輩の一人なんだけどね。」

「だから、俺を無理やり入れたのか。」

「まぁまぁ。私はこの春に赴任してきたんだけど、この部が潰れそうって聞いて、タイミング良く転校してきた間宮君を引っ張ってきたの。」

「間宮君も転校してきたの?」

「・・・・まぁ。」

「長瀬さんより早くね。さぁーて、説明もついたところで、香華生徒運営部の最初の会議を始めるわよ?特に話しあうことはないけど。」

「何ですかそれ。」

「変なの。」




その日は、会議という名の雑談に花を咲かせた。


久しぶりに学校って楽しいなって思えた。