「・・・・ボロボロ。」

「・・分かってるよ。」

「何、泣いてるの。」

「・・・何でもない。」

「何でもないのに泣けるの?」

「・・・間宮君には関係ないよ。」

「部室の前で泣いてたのに関係ない?」

「・・・うん。」

「さっきまた泣いたのも関係ない?」

「・・・うん。」

「コーヒー飲む?」

「・・・え?」





そう言うと間宮君は立ちあがった。

良く見ると、部室の奥には小さな台所のようなものがある。

そしてその横には少し古いコーヒーメーカーが置いてあった。





「これ、挽いて。」





そういて、間宮君はコーヒー豆を挽く手回し機械を渡してきた。

私はそれをゆっくりと回す。


間宮君はコーヒーメーカーをセットし、マグカップを洗っている。




「挽けた。」

「どうも。」




間宮君が粉をセットし、スイッチを押した。


部屋にコーヒーの香ばしい香りが立ち込める。




「良い匂い。」




私がそう言うと、間宮君はふっと笑った。