「・・・泣いて、・・なんか・・ない。」



泣いている人のセリフだと思った。
間宮君に泣いてる姿を見られたこと、また拒まれたらと思う恐怖、自分の情けなさ、すべてが私の涙となって落ちていく。




「入って。」

「嫌。」

「入って。」

「無理。」

「・・・。」

「・・・っ!ちょっと!」




泣きながら部室に入るのを拒む私の腕を、間宮君は無理やり引っ張った。









「・・・・・。」

「・・・・・。」



それから二人の会話はない。

私は脚付きソファーに座らされ、間宮君は向かいの椅子に座っている。

私は流れる涙を見せまいと、間宮君から顔をそむけていた。

間宮君も、私とは違う方向を向いている。


こういうのを本当に気まずいというんだろう。





「・・・・・ねぇ。」

「・・・・何。」





あまりにも気まずかったので私から話しかけてみることにした。



「何で呼び出したの?」